映画「羅生門」のモデルになるって、すごいことなんです!

まず映画「羅生門」(大映製作・配給)について簡単にご紹介しましょう。

第12回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞第24回アカデミー賞名誉賞(現在の国際長編映画賞ですね!)を受賞。世界三大映画祭で日本人監督が最高賞を初めて獲得し、日本映画が初めてアカデミー賞を獲得した、記念すべき映画でもあります。

 「羅生門」という題名は芥川龍之介の小説ですが、原作は実は「羅生門」と「藪の中」を下敷きにしている物語なんですよね。

出演者は三船敏郎、京マチ子、森雅之ら。 

平安時代の京を舞台に、ある武士の殺害事件の関係者がそれぞれ食い違った証言をするさまを描き、人間の本質を問いただします。

88分で鑑賞できますので、観たことがない人にほど鑑賞していただきたい映画です。

そして、そんな東郷寺の山門へ私が伺った日は、ちょうど大雨が降っていました...。


すなわち、最高のシチュエーションだったんです。



黒澤映画と言えば、雨の演出が印象的なシーンがたくさんある映画が多いですが、中でも最も印象的なのが「羅生門」の雨とも言えるかもしれません。


冒頭、降りしきる雨の羅生門から物語が始まるのです。

それゆえ門に雨が当たる雨音まで最高で、思わず録音してしまいました。(笑)

黒澤監督は雨に墨をまぜ、雨がくっきりと映るように演出していたことでも有名です。それゆえ、これこそ私にとって“恵の雨”でした。


晴れていても美しいでしょうが、降りしきる雨のおかげで私の“ロケ地巡り物語”が完成したようにも思えました。作品への思慕をめぐらせながら、ぜひ実物を見学してみてくださいね。思ったよりも大きな門で迫力を感じますよ。

こんな看板もあり、そこには「映画『羅生門』のセットは、この東郷寺山門をモデルとして作られたという」と書かれてます。

「通常の山門に比べて規模が大きく、段丘を利用した急な勾配の石段の上にそびえるように建ち、また装飾が少ないことがなお雄大さを際立たせている。」と、景観の特徴も記載されていました。

確かに!!!!

と納得です。

いろんな発見があるので、こういう看板は読み込みたいタイプです。

ちなみにこの東郷寺は、山門とセットでしだれ桜が大変有名とのこと。

この門前に大きくそびえたつ府中市の名木100選の巨木“しだれ桜”は、山門とともに、府中を代表する景観の一つとなっているそう。

確かに、山門を中心に左右に咲き乱れる枝垂れ桜は、まるで絵画のような左右対称の美しさで季節を雄弁に語っていました。

雨でも桜を見に来ている方が私の他にもいらっしゃいました。



黒澤監督が車でこのお寺の前を通った時に「ここを羅生門のモデルにしたい」と思った、というお話もあるとされる、本当に印象的なお寺でした。


この門には求心力があって、正面に立つと、このお寺以外目に入らないような、力強さがありました。いやぁ、とてもカッコよかったです。



ぜひ訪れて、この迫力を感じて欲しいです。

「羅生門」の舞台、平安時代にちょっとだけタイムスリップしたような気持ちにもなれる、特別な場所でした。

聖将山 東郷寺
  • 所在地

    府中市清水が丘3-40-10

  • 最寄駅

    多磨霊園

  • 電話番号

    042-361-2263

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