長谷寺があるのは骨董通りと六本木通りの角、高樹町交差点のすぐそばという、まさに都会のど真ん中。にもかかわらず山門をくぐると静かな境内が広がり、先ほどまでとは違った空気が流れます。

「こんな場所があったのか」と驚く人もいるかもしれません。正面奥に本堂、山門右手に二階建てのような高い建物があります。これが観音堂です。

出会いは突然やってくる

観音堂の扉には「ご自由にお開けください」と、親切な貼り紙がしてあります。その言葉に従いそろそろと扉を開けてみると、あまりに唐突に巨大な観音さまが現れ、出会い頭に目が合うのです。気を抜いていたら驚いて声を上げてしまうかもしれない、突然の出会いです。

目前に現れたのは麻布大観音と呼ばれる木造の十一面観音菩薩像。高さは約10メートルあり、見上げるほどの大きさです。樹齢600年を超える楠を一木彫りし、10年の歳月をかけてつくられたそう。二階建てに見えたお堂の内部は吹き抜けになっていて、10メートルの観音さまがすっぽり納まるように入っていたのです。圧巻の大きさと、観るものを包み込むようなやさしげで親しみやすい姿が印象的です。

再建された観音さまの歴史

この場所はその昔「渋谷が原」と呼ばれ、小さな観音さまが祠に祀られていたそうです。江戸時代に徳川家康公からこの地を賜った僧侶が長谷寺を開き、後に約8メートルの観音像がつくられ人々の信仰を集めました。ところがこの8メートルの観音像は昭和20(1945)年の東京大空襲により焼失してしまいます。多くの人々の声を受け、昭和52(1977)年に再建されたのが現在ある10メートルの麻布大観音です。

いつでも開かれている観音堂の扉

長谷寺の山門は朝の5時半に開かれ、夕方の6時に閉まります。その間であれば誰でも観音堂に参拝することができます。毎月18日の午後2時からは観音例祭のご祈祷が行われるので、それに合わせ参拝するのも良いと思います。

最後に一つ、ちょっとした秘密のビューポイントをご紹介しましょう。観音堂前に1カ所、そこだけ大きな敷石があります。それが観音ビューポイント!立つと観音堂正面の丸い天窓から観音さまのお顔がピンポイントで拝むことができるんです。昼間は外光が強く見えにくいので、曇った日の早朝か夕方に拝むのが良いでしょう。


驚くほど大きな麻布の観音さまは、天窓からやさしいお顔をのぞかせ、いつでも参拝者を待っています。

大本山永平寺別院 長谷寺
  • 所在地

    港区西麻布2-21-34

  • 最寄駅

    表参道

  • 電話番号

    03-3400-5232

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