外国人を魅了する焼き物が横浜にあった!?
▲駅近ですが閑静なエリアに位置しています
ミュージアムは、横浜駅から徒歩10分ほどの場所にあります。決して駅から遠くはないものの、人通りの多い商業地から少し離れているため、知る人ぞ知る存在となっています。
▲すばらしい作品が並ぶ贅沢な空間
館内には、横浜で制作されていた眞葛焼の作品が数多く展示されています。
そして、これらの眞葛焼は、どれも一つ一つが圧倒的な完成度を誇る作品ばかりです。その精緻を極めた造形と華やかな意匠から、「超絶技巧」と称されるほどの見応えを放っています。
見る者を魅了する超絶技巧の世界
▲見るものを虜にするド派手な作品の数々
その作品がこちら。
これらの作品は、京都から横浜へ移り住んでいた初代の宮川香山の作品。派手な見た目をしており、まるで壺の周りに立体的に動物や植物が浮かび上がっているような「高浮彫り」という作風を取り入れています。
▲この作品の存在感が、とにかくハンパない
高浮彫りの作品の中でも、こちらの作品は特に惹きつけられるものがあります!
タカの動きのある躍動感に羽の艶やかな表現は、思わず息をのむほどの完成度です。香山は実際にタカを飼っていたようで、日々目にしながら作品にしたからこその、この完成度なのかもしれません。
▲タカの親子が見つめ合う様子を見事に再現
これらのすばらしい作品は、開港して横浜へやってきた外国人に売ることを主な目的として作られていました。
多くの作品が海外へ渡ったことから、現在も世界のどこかで、眞葛焼がひっそりと受け継がれていると考えられます。外国の博物館や、あるいは裕福な家庭のリビングに飾られているかもしれません。
▲セメダインなどでくっ付けているわけではありません!!
また、眞葛焼には「枯れたハスの葉」もよく見れらます。これは、江戸時代に活躍した画家・伊藤若冲を彷彿とさせます。
枯れたハスも、その枯れ具合を見事に表現しており、まるで本物の葉が貼り付けられているのではと思ってしまうほどのすばらしさです。
時代の流れに合わせた作品作り
▲まさに花の形状そのままを表現したような見事な作品
先ほどの派手な見た目の「高浮彫り」だけでなく、眞葛焼には落ち着いた見た目の「釉下彩(ゆうかさい)」を取り入れた作品も見られます。
なぜ、これほどの異なった作品が見られるかというと、香山は自分が作りたい作品を作っていたわけではなく、その時代に外国人が好んだ作品を作っていたからなのです。
▲たくさん並べるとカラフルになりますね
外国の方はド派手な作品を一時期は好んでいたものの、その後は日本の美の侘び寂びを感じられるような作品を好むようになりました。
そこで香山は、淡くグラデーションに富んだ作品を作っていったのです。
眞葛窯は横浜を代表する観光地だった!?
▲今はこの看板も見られなくなってしまいました
この眞葛焼を作っていた眞葛窯は、京浜急行の南太田駅から歩いて5分ほどの場所にありました。
今では住宅地となりその面影は見られませんが、かつては1000坪にも渡る広さの窯があったそうです。
▲どんな窯だったのか見たかった・・・
その様子は、館内のパネルにも見られます。
当時はこれだけの広さの窯を見学できたことから、多くの方が訪れた観光地だったことがうかがえます。
▲まだたくさんの破片が眠っているかもしれません
その名残りは見られないものの、当施設にはその跡地から発見された作品の破片が展示されています。
どうやら、香山は納得いかないと作品を割っていたそうで、この場所で家を建てる際に住人から許可をもらって発掘した際に発見されたそうです!
まるで生きているかのような見事な完成度!
▲ネコの独特な姿に目を奪われる
再び眞葛焼を見てみようと思いますが、作品にはとにかくたくさんの生き物が取り入れられています。
カニ、ネコ、カエル、タカなどの動物や昆虫、さらには植物が多いですね。その表情もさまざまなで見るものを虜にします。
▲よく折れずに作れたものです
焼き物は焼くと水分が飛び収縮するわけですので、収縮率を計算して作る必要があります。
生き物の腕や足は大変細いため、作るのはスゴく難しいはずなのですが、こうした作品はどのようにして作られているのか。そのレベルの高さに驚かずにはいられません。
▲形が独特過ぎて、見ていてワクワクしてしまいます!
どの作品も、さまざまな角度から目を凝らして、いつまでもじっと見つめていたくなります。
当館はそこまで大きな施設ではないですが、一つ一つじっと見ているとあっという間に時間が経ってしまいますので、じっくり見たい方は、十分に時間を確保したうえで訪れると良いと思います。
初代宮川香山が最後に遺した遺作
▲何を考えながら作っていたんでしょうね
最後に。館内に展示している一匹のカニが見られるこちらは、初代宮川香山が最後に遺した作品です。
派手なものから落ち着いたものまで、とにかく求められた作品を作り続けてきましたが、最後の作品は、高浮彫りを彷彿とさせつつも、壺の内部には濃厚な青の釉薬が見られ、全体として落ち着いた雰囲気となっています。
まさに彼の集大成を表しているかのようであり、もしかしたら香山はこうした作品を作りたかったのではないかと思わせるような作品です。
▲動き出しそうなほどのリアルさ
眞葛焼は開港して訪れた外国人向けに売られていたこと、さらには眞葛窯は横浜大空襲を機に閉鎖してしまったこともあり、国内で知られる機会が失われていました。
それゆえに、当ミュージアムの存在はとても貴重な存在かと思います。
かつて横浜で作られていた幻の焼き物である眞葛焼。ぜひ、当施設に訪れて、そのすばらしさを実感していただければと思います。
- 宮川香山 眞葛ミュージアム
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所在地
横浜市神奈川区栄町6-1
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最寄駅
神奈川
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電話番号
045-534-6853
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※本記事は2026年01月15日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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