扉を開ければ、そこは甘く香ばしい幸せの香りに満ちた空間

お店の外観

▲お店の外観

東京の街を歩いていると、ときおり、そこだけ時間の流れが穏やかになったかのような錯覚を覚える美しい空間に出会うことがある。世田谷の住宅街、生き生きとした緑の蔦にやさしく包まれた小さな店。それが、今回の目的地「OYATSUYA SUN(オヤツヤ サン)」だ。


絵本から飛び出してきたかのような愛らしい外観に誘われ、木製の扉を開けると、そこには甘く香ばしい、幸せな香りが満ちていた。

ショーケースの中に並ぶのは、実に見事な焼き菓子たちだ。「はちみつレモンのパウンドケーキ」「カモミールとラベンダーのパウンドケーキ」「ラムレーズンとホワイトチョコのパウンドケーキ」など、どれも名前を聞くだけで胸が躍るような、独自の個性が光るラインナップだ。


さらに、グラスフェッドバターや北海道産の小麦、旬のフルーツをたっぷりと使ったというマフィンや、外側がサクッと香ばしそうなスコーン、ホットビスケットの姿も見える。


メニューをめくれば、こだわりのドリップコーヒーやカフェラテ、さらには「黒糖コーヒー牛乳」といった遊び心のあるドリンクまでそろっている。

ヨーロッパの記憶を呼び覚ます、こだわり抜かれた素材とお菓子の数々

イタリア人である僕は、幼いころから日常のなかに素晴らしい焼き菓子やコーヒー、そしてそれらを囲む「豊かな時間」があった。だからこそ、この店の佇まいと、丁寧に作られたお菓子の数々を目にした瞬間、胸の奥がじんわりと熱くなった。


故郷イタリアの素朴で愛される伝統菓子や、隣国フランスの洗練された美しい焼き菓子、そしてそれらをつまみながら家族や友人と語り合った、あの人生のきらめきのような楽しさを鮮烈に思い出したのだ。

今回、僕は淹れたてのカフェラテ(680円)とともに、二つの焼き菓子を店外のベンチでいただくことにした。


まず、僕の心を完全に奪ったのが「Cats Butter Galette(フランス産発酵バターのねこ型厚焼きバターガレット、550円)」だ。袋から取り出すと、思わず笑みがこぼれてしまうほど愛らしい、寄り添う二匹の猫のシルエット。一口かじれば、口いっぱいに広がるフランス産発酵バターの濃厚で奥深いコクと芳醇な香り。そして、サクッ、ホロッと崩れる、完璧な食感。


これはただの「可愛いお菓子」ではない。素材の良さを極限まで引き出した、本物の職人技が宿る至高の味わいだ。

Cats Butter Galette(フランス産発酵バターのねこ型厚焼きバターガレット、550円)

▲Cats Butter Galette(フランス産発酵バターのねこ型厚焼きバターガレット、550円)

もう一つの「アメリカンチョコチップクッキー(480円)」もまたすばらしい。


外側はクリスピーで、中はしっとり。大粒のチョコレートが贅沢に入っており、ビターなカカオの風味と、なめらかなカフェラテのミルクが口の中で完璧なマリアージュを奏でる。美しいハートのラテアートが描かれたラテをすすり、そよ風を感じながら焼き菓子を味わう時間は、まさに至福そのものであった。

アメリカンチョコチップクッキー(480円)

▲アメリカンチョコチップクッキー(480円)

OYATSUYA SUNの焼き菓子には、食べる人を笑顔にし、日常の中に小さくも確かな感動をもたらす力がある。


東京の喧騒から少し離れ、心まで満たされる特別な「おやつの時間」を体験しに、ぜひ足を運んでみてほしい。そこには、忘れられない味と、温かな記憶が待っている。

OYATSUYA SUN


東京都世田谷区桜新町2-26-1

(東急田園都市線「桜新町駅」から、用賀方面に徒歩5分)

8:00 - 17:00(水曜日のみ16時まで)

定休日 月・火


最寄り駅:桜新町駅

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