
溝呂木 一美
ドーナツ探求家・イラストレーター・グラフィックデザイナー・手芸愛好家。 “ドーナツとは、油の中で夢がふくらむ、幸福な食べ物です。”というキャッチコピーを掲げ、国内外で年間500種類以上のドーナツを食べ、自身のブログや各種SNS、テレビやラジオ、雑誌、Webメディア等でも情報を発信。イラストレーターとしては「かわいい・おいしい・楽しい」をテーマに描いている。主なテレビ番組出演歴は『マツコの知らない世界』『ラヴィット!』(TBS系)、『バゲット』(日本テレビ系)など。著書に『私のてきとうなお菓子作り』(ワニブックス)、『ドーナツのしあわせ 年間500種類食べる“ドーナツ探求家”の偏愛ノート』(イースト・プレス)、『ドーナツの旅』(グラフィック社)あり。
蔵前店は、大人の心がときめく空間
ドーナツ専門店『ドーナツもり』は、2020年に神楽坂にてオープンしました。伝統的なフランス菓子の技法を用い、時間をかけて丁寧に作られたリッチな味わいのドーナツは、多くの人をトリコにし、開店と同時に都内屈指の人気店となりました。
そしてこの度、生産体制を強化するべく、2024年1月にドーナツ製造の拠点となる蔵前店が誕生したのです。場所は都営大江戸線蔵前駅から徒歩3分ほどです。

▲品がありスッキリとした店構え。ゴールドの店名が映えます

▲おなじみの“おじさん”も、ゴールドのドーナツでバージョンアップ
神楽坂のお店は、小さな古民家をリノベーションしたもので、絵本に出てくる“おうち”のようなかわいらしい佇まいですが、蔵前のお店は、ヨーロッパの歴史のあるお菓子屋さんのような、シックな雰囲気が魅力です。
アンティークな扉を開けて中へ入ると、重厚感のある照明、オフホワイトと赤にセパレートされた壁がぱっと目に入り、「なんて特別な空間なのだろう!」と、心躍ります。

▲迫力のある照明。室内装飾に興味のある方は特に必見です
3日間かけて作った生地を揚げた、上質なドーナツ
ガラスケースに並べられたドーナツの美しいこと!
じっくり眺めて、何を食べるか迷うのも楽しい時間です。



湯種製法と低温発酵により、3日間かけて作られた生地を揚げており、ふわっと軽く、ふにゅっとやわらかで、もっちりとした独自の食感を実現したイーストドーナツが主なメニューです。
そして何より注目すべきポイントは、ドーナツの上にかけてあるグレーズのクオリティの高さです。ドーナツ作りにフランス菓子作りのノウハウが注入されているだけあり、高級洋菓子を彷彿とさせるレベル。イタリア産有機はちみつや、フランス産の木苺、シチリア島のピスタチオなど、厳選した素材を用いて手作りされ、どれも繊細で味わい深いものです。
一方、オールドファッションタイプのドーナツもラインナップしています。こちらは、生地にスパイスを練り込んであることが特徴で、独特の風味。『ドーナツもり』にしかない味わいを楽しめます。
こちらは私が購入したドーナツです。

▲左上から時計回りに「焦がしバター」「ラムレーズンバターサンドベニエ」「フランボワーズグレーズ」「オールドファッションチョコレート」
特に「焦がしバター」は必ず食べたい、おすすめのドーナツです。甘さの中にバターのコクと香ばしい風味がしっかりと感じられ、味も香りも素晴らしいのです。パリパリしたアーモンドとグレーズの相性もよく、オリジナリティが極めて高い逸品です。

最後に、お店の一番奥に見える、厨房への入口部分にも注目です(注:中には入れません)。
イギリスのテキスタイルデザイナーで「モダンデザインの父」ともいわれるウィリアム・モリスの壁紙を使っているそうです。出来上がったドーナツが、この通路から運ばれてくる様子は、映画のワンシーンを想起させます。
ウィリアム・モリスのテキスタイルが長く愛され、多くの影響を残したように、「ドーナツもり」のドーナツも、ここからさまざまな物語を織りなしていくのだろうと想像しています。
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