季節の花たちに彩られた店内で、一杯ずつ丁寧に淹れられる珈琲と過ごす優雅なひととき。珍しいアンティークカップで味わえる楽しみも。

▲駅近くでありながらひっそりとした佇まい
1990年代、より高品質な珈琲を求める消費者に応えるためアメリカで始まり、日本にも2015年に到来して、今ではすっかり耳慣れた「サードウェイブ」という言葉。
その火付け役とされている「ブルーボトルコーヒー」の創業者が、「日本でもっとも好き」と公言しているのが、渋谷にある茶亭 羽當です。

▲この日は少し早い桜の花見を
年代、国籍を問わず、誰もが目を奪われてしまうようなセンスの良い落ち着いた内装に包まれながら、一杯ずつ丁寧に淹れられる珈琲を口に運ぶ幸せを求めて、たくさんの人たちが扉を開けます。

▲珈琲を待つ時間も退屈しないカウンター席
見惚れてしまうような手つきで珈琲をたてる店長の寺島和弥さんは、視界に入ったお客さんの印象から「さっと見た瞬間の雰囲気で」カップを選ぶのだそう。棚にずらりと並ぶ中には、自分ではとても手を出せないような高価なものも。

▲プロの技を目の前で見られる贅沢
この日は二杯の珈琲、黒糖のシフォンケーキを注文。「珍しいもの、今では手に入らないようなカップを」とお願いし、寺島さんが手に取ったのは、100年以上前のオールドノリタケのものとベルリン王立磁器製陶所 KPM Berlinのもの。

▲何も言わずに運ばれてきたカップが好みだと嬉しい
ペーパードリップで淹れられる羽當オリジナルブレンド、一杯淹れるのに15分ほどかかるオールドビーンズを使った五番町。

▲ぽたぽたと落ちる光る滴を眺めながら待つ

▲破損してしまったという取っ手の継がれた跡も愛おしい
今や、自宅やテイクアウトでもそれなりに美味しい珈琲が飲めるようになりましたが、「金銭と引き換えにサービスを受け取る」ということは、誰かが自分のためだけに淹れてくれるとびきりの珈琲や芸術品のようなカップ、そこで過ごすどこか非日常な数十分間など、「特別な気分」を感じることの対価だと思っています。

▲珈琲の味をより引き立たせるシフォンケーキ(写真は黒糖味)
喉の渇きや空腹だけではなく、心を潤してくれる空間で、お気に入りのカップと出会う珈琲旅はこれからもずっと続きそうです。

▲目線を上にやると、こんなかわいい照明たちも

▲ハンガーのデザインまで抜かりなく
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