都会であることを忘れる、心落ち着く境内

JR西大井駅から、東海道新幹線が走る線路沿いの住宅街を歩くこと10分、小高い丘の上に「養玉院如来寺」というお寺があります。やや長い名前のこのお寺は、もともと下谷(台東区)にあった「養玉院」と、高輪(港区)にあった「如来寺」が現在の大井に移転、合併してできました。
山門脇の坂道を登ると鳥の声が聞こえてきました。季節の花々が咲く境内は、都会であることを忘れてしまうような心落ち着く空間です。

坂道を登り切ると左手に本堂があり、正面に見えてくるのが如来堂(瑞應殿)。ここに大仏さまがいらっしゃるわけです。正面の階段を登り、まずは合掌しましょう。
以前は開いていた如来堂の正面扉ですが、保護の観点から現在は閉ざされています。でも大丈夫!お堂右手にある引き戸から大仏さまのすぐ側まで行くことができるのです。はやる気持ちを抑えつつ引き戸を開けると、薄暗い堂内が見えてきます。

大仏さまが目覚める瞬間!
人感センサーが作動するのでしょう、堂内に入ると照明がともり大仏さまのお顔がパッと明るくなりました。まるで眠っていた大仏さまが目を覚ましたよう。現れたのは横一列に並ぶ巨大な5体の大仏さま、木造五智如来像(もくぞうごちにょらいぞう)通称「大井のおおぼとけ」です。

五智如来とは全宇宙をつかさどる仏さま5人衆で、向かって右から薬師如来、宝勝如来、大日如来、阿弥陀如来、釈迦如来。中央の大日如来がリーダー的ポジションで、戦隊ヒーローで言えばレッドにあたります。
像高は大日如来が最も大きく3.2メートル、台座も加えると総高は5メートル近いのではないでしょうか。5人組ヒーローのような集団が持つパワーもあり、仏像に興味のない人でも単純に「すごい!」と圧倒される迫力があります。

木造五智如来像は、江戸時代の僧侶であり仏師でもある木喰但唱(もくじきたんしょう)とその弟子が長野でつくり、江戸まで運んだと伝えられています。江戸時代の度重なる火災で一時は薬師如来以外が焼失しますが、その都度修復されてきました。
「大井に移転していなければ戦火で焼け、跡形もなくなっていたでしょう。運のいい仏さまです」とご住職はおっしゃっていました。数々の奇跡が重なり、江戸時代からその姿を今に残しているんですね。
奇跡は大井に行けば目撃できます。ヒーロー大仏を拝みに、大井に行ってみてはいかがでしょう。
- 養玉院如来寺
-
-
所在地
品川区西大井5-22-25
-
最寄駅
馬込
-
電話番号
03-3771-4816
-
- 当サイト内のおでかけ情報に関して
-
※本記事は2024年05月13日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、掲載している情報に変更が生じる場合があります。最新情報は直接お問い合わせください。
※おでかけの際はマスクの着用、手洗い・手指消毒などを心がけ、感染拡大の防止に十分ご配慮いただきますようお願いします。
※本記事中の金額表示は、税抜表記のないものはすべて税込です。