広大な車両基地のすぐそばに広がる、下町の風景

「洋品」の文字が目を引く看板

▲「洋品」の文字が目を引く看板

東京都北区にある、尾久駅。上野と赤羽の間なので当然これまでも電車で何度か通り過ぎたことはあるものの、降りたことはない駅でした。

偶然尾久で用事があり、せっかくだからと駅周辺を散策してみることに。


JR尾久駅の駅舎は、四角い積み木をいくつか重ねたような、シンプルな形。駅南側には車両基地が隣接し、見渡す限りずっと向こうの方まで線路が広がっています。


駅舎の前を走る明治通りから一本小道に入ってみると、静かな住宅地。「株式会社●●」「●●製作所」などの看板が掲げられた町工場や、ふとん店、ドラッグストア、食堂など、年季の入った建物も目につきます。

路地を泳ぐ金魚に味噌の容器の鉢。尾久の路上園芸、いい

こうじ味噌の容器が鉢に。書体がかわいい。

▲こうじ味噌の容器が鉢に。書体がかわいい。

なんといっても楽しいのが、おうちや町工場の玄関先を飾る鉢植えたち。

あるお店では、シャッターの手前に板やアルミの資材などを継ぎ足されて作られたオリジナルの棚の中央に水槽がはめこまれ、立派な金魚が何匹も泳いでいます。隣で水槽をにぎやかすのは、満開のアマリリス。ちょっとしたテーマパークです。


すぐそばのおうちでは、塀の前にプランターが等間隔に並べられ、そこからきゅうりのつるが何本も、支柱に絡みついていました。夏になると立派なグリーンカーテンが広がることでしょう。ご近所さんと思われる方々がプランターを囲んで、水やりや植え替えといったテーマで園芸談義に花を咲かせています。


そこまで暑くない晴れた週末の午後は、ゆっくりと草花の手入れをするのにいい時間なのでしょうか。表に出て花がらをつんだり、水やりしたりする住人の方をちらほらと見かけました。


お味噌の容器や炊飯器の釜が、鉢として転用されているおうちも。いい。とてもいい。


調べてみたところ、尾久駅は都内でも利用客数が少ない駅だそう。だからでしょうか。路上園芸的風景を通して、この地でしっかりと営まれている暮らしが手に取るように感じられるのでした。

黄色い花と黄色いテープという偶然のコーディネート

▲黄色い花と黄色いテープという偶然のコーディネート

帰り際に駅前で「尾久駅前観光PRコーナー」なる場所を発見。中には鉄道にまつわる展示や、北区の各エリアを紹介する観光ガイドブックが。思わずエリアごとのパンフレットをいただいて帰ってしまいました。


赤羽といえば飲み歩きが楽しいまちだし、王子は洋紙産業発祥の地。徳川吉宗が1270本もの桜を植えた飛鳥山もあります。

一気に北区が、自分的「住みたいまちランキング」上位に浮上したのでした。

尾久駅(JR東日本)
  • 所在地

    北区昭和町1

  • 最寄駅

    尾久

  • 電話番号

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