2022年、新・晴海埠頭公園の爆誕

▲(左)公園全景。奥にはレインボーブリッジと東京湾が。 (右上)ゴムチップ塗装のアスレチックエリア。 (右下)2024年3月に設置された「TOKYO」のモニュメント。新たな東京のランドマークとなるか!?
2020年に開催された東京オリンピック・パラリンピック。晴海に選手村ができたというニュースを目にした方も多いのではないでしょうか。晴海埠頭公園は、その選手村の一部になったため一時休園していましたが、園内を再整備し2022年10月にリニューアルオープンしました。
船型の大型遊具や、波をイメージしたゴムチップ塗装のアスレチックエリアが設置されているほか、カフェレストランやコワーキングスペースが入った新スポット「ConnecT HARUMI(コネクトハルミ)」が誕生。まさに臨海エリアを代表する公園に生まれ変わったのです。
公園に潜む幕末の面影

▲入口の階段横に設置された石垣。奥にあるのは選手村だったマンション
リフレッシュできる雰囲気満点の園内を散策していて見つけたのが、この古めかしい石たち。むむ、これは歴史の匂いがプンプンします。
実はこの石材、再整備前の晴海埠頭公園でも使われていたものですが、もともとは、なんと約170年前の幕末にペリー来航をきっかけに築かれた砲台場の石材だったのです!
「お台場」という地名の由来になった砲台場は、嘉永6(1853)年に築造が始まり、最終的には6基が完成しました。現在もレインボーブリッジの下に2基の台場が現存しており、そのうちの1基「品川第三台場」は台場公園として整備され一般の人も立ち入ることができるようになっています。
一方、取り壊された4基の台場のうち「品川第二台場」は東京港の整備にあたり撤去され、一部の石材がここ晴海埠頭公園で新しい人生ならぬ“石生”を送っているのです。

▲花壇の石垣に生まれ変わった、元・品川第二台場の石材たち。新しい石生でも輝いている
元・品川第二台場の石材は、入口の石垣モニュメントになっているだけではなく、園内の至るところで見つけることができます。花壇や海を眺めるベンチや、通気口に擬態しているものまで!
ちなみに、品川台場の石材の多くは伊豆半島(静岡県)や相模(神奈川県)から海上輸送されたもの。ほかにも三浦半島(神奈川県)や房総半島(千葉県)からも運ばれてきています。
レア石発見(1)コーナー部分に使われた角石

▲石面の端っこを一定幅で縁取り稜線を美しく見せる工夫が見られる。これが「江戸切り」という加工だ
中には、かなり貴重な石も見つけることができます。例えば、こちらの写真の石材です!
品川第二台場はいわゆるダイヤ型の五角形をしていたので、石材を直角よりもゆるい“鈍角”に削らなければならない隅角部(コーナーのところ)がでてきます。写真の石材は、まさに鈍角に整形されているではありませんか!もしかしたら、隅角部で使われていた角石かもしれません。
しかも、石の稜線に「江戸切り」といわれる“角を鋭利に見せる加工”もされています。これも角石に見られる特徴です。なんと情報が詰まった石材なのでしょうか。海上にそびえていた要塞の一部がこんな間近で見られるとは…実に感慨深いものです。
レア石発見(2)石を割った時の痕跡

▲ミシン目のような穴が連続して確認できる。人の手によって穴を穿ったものだ。穴の大きさは5cm未満
こちらもレア度が高い! 石の表面に空いているミシン目の穴のようなもの。これ、昔の人が石を割る時につけた痕跡なのです。しかも、「このラインで割るぞ」と計画していたものの、割らなかった…あるいは割れなかった跡なのです!なんて愛おしい穴なのでしょうか。こんな痕跡まで見られるなんて、あぁ石探しって楽しい。
是非、晴海埠頭公園で幕末の石探しをしてみてくださいね!
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※本記事は2024年11月18日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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