都心の高級住宅街にある珍博物館

▲イタリア照明器具のショールームの建物を活用している
東京都品川区、緑の多い高級住宅街である御殿山には、100個以上もの翡翠の原石を展示する、世界を見ても大変個性的な博物館「翡翠原石館」があります。外観からは看板に描かれた翡翠の勾玉でしか翡翠要素は見当たらないものの、館内にはどんな光景が広がっているのかと実に気になるところです。

▲デカい翡翠原石があちらこちらに
入り口の扉を開ければ、外観からは想像もできない光景が広がっています。ガラス張りの大きな窓がある吹き抜けという開放感ある造りで、館内の至る所に巨大な翡翠の原石がゴロゴロしている様は、まさにここならでは。
ここは、靍見信行さんが個人で運営する博物館。トラックや建設機械などに用いられるフィルタを製造する、ピーコックエレメント株式会社の会長を務めながら、同館を運営しています。

▲敷石までが翡翠原石という贅沢さの極み
日本の国石でもある翡翠。その産地といえば新潟県の糸魚川が有名です。靏見さんは、仕事の合間を見ては何度も糸魚川に足を運び、日本のみならず世界最大の翡翠の産地といわれるビルマ(現ミャンマー)に渡ったことも。
しかしこれだけの原石、よくここまで運んだものだと思います。翡翠原石を見て楽しみはするものの、どうやってこれだけ運んだのか、どれだけコストがかかったのか、スゴすぎる展示だけにそんな考えもよぎってしまいます。
10万個以上の翡翠原石で女神を描く

▲躍動感がある素晴らしい作品
館内の展示物の中でも、真っ先に目を奪われるのが、床から2階の天井までそびえ立つ巨大なモザイクタイルアート。翡翠を含むたくさんの原石によって描かれており、その数なんと10万個以上。
この作品は、『古事記』に登場する糸魚川にも伝説が残る奴奈川姫(ぬなかわひめ)がモデル。靏見さんが想像で描いたスケッチをもとに、モザイク作家の本間洋一さんによって描かれました。
制作には6年もの歳月がかかったという、超大作です。
巨大原石を運ぶために橋を直す

▲風呂の中に入れはしますが、お湯を入れての入浴はできません
そして、同館一番の目玉は超巨大翡翠原石をくり抜いて作られた翡翠原石風呂でしょう。
浴槽のみならず、床や壁面、さらには湯の注ぎ口、扉の取手に至るまで、あらゆる部分に翡翠が用いられています。このあまりにも豪華すぎる風呂場は、日本のみならず、世界を探してもここでしか見られない光景なのではないでしょうか。
これらの超巨大原石は、糸魚川見つけるや否やダンプに積み、茨城の石切り場に運んで浴槽サイズにカットしたもの。石切り場まで運ぶときに橋がダンプの重量制限をオーバーしたことから、橋まで工事したそうです。
靏見さん曰く、銘酒を翡翠グラスに入れて飲むとマイルドになるそうで、これを大きくして風呂に入ったらどうなるかと思ったことから、この浴槽を作ったとのこと。
まったりとした空間で極上のティータイムを

▲翡翠原石に囲まれながらのんびりとしたひとときを
一階と同様、二階も翡翠原石だらけ。緑、紫、白などさまざまな色を呈した翡翠、さらには翡翠で作られた仏像や五重塔も。来館者にはスリランカ茶のサービスもあるゆえ、のんびりとしたティータイムを過ごすこともできます。

▲スマホケースのストラップにも見られる翡翠原石
これだけの博物館を運営しているゆえ、館長・靍見さんの翡翠愛は凄まじく、翡翠のペンダントを必ず身に付けているほか、スマホケースには翡翠原石が見られるなど、翡翠のパワーをいつも浴びているそうです。

▲翡翠でベルトまで作っちゃったみたいです
そして、二階には「館長オリジナル翡翠ベルト」までありました。
以上のように、館長のただならぬ翡翠愛をひしひしと感じることができる博物館。奇抜な場所を訪れたい方、さらには、たくさんの翡翠原石に囲まれ癒やしやパワーを得たい方にはオススメの施設です。
- 翡翠原石館
-
-
所在地
品川区北品川4-5-12
-
最寄駅
北品川
-
電話番号
03-6408-0313
-
- 当サイト内のおでかけ情報に関して
-
※本記事は2025年03月10日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、掲載している情報に変更が生じる場合があります。最新情報は直接お問い合わせください。
※おでかけの際はマスクの着用、手洗い・手指消毒などを心がけ、感染拡大の防止に十分ご配慮いただきますようお願いします。
※本記事中の金額表示は、税抜表記のないものはすべて税込です。