
パフェ評論家 斧屋
パフェ評論家、ライター。これまでに4000本以上のパフェを食べました。パフェの魅力を多くの人に伝えるために、雑誌やラジオ、トークイベントなどで活動しています。著書に『パフェが一番エラい。』(ホーム社)など。
西荻窪「Typica」

▲「春を待つパフェ」
JR中央線西荻窪駅から徒歩3分にあるのが、パフェとカレーとコーヒーとワインのお店「Typica」。もともと西荻窪には個性派のパフェが多いのですが、中でも異彩を放つのがこのTypicaです。
ここ5年ほどで、パフェには果物や菓子以外の、ありとあらゆる食材を入れるようになりました。お酒が入り、ハーブが入り、野菜が入り、スパイスが入る・・・それらの使用が珍しくなくなり、ついには肉や魚やキノコまでが登場するようになりました。いまやパフェに入ったことのない食材は何か、思いつくことが難しくなってきたほどです。
そんな中、パフェとは何かを問い直し、新たな食材を先陣を切って開拓してきたのがTypica。常時3種のパフェを提供しており、一カ月ごとに変わる「季節のパフェ」、提供期間が少し長めの「前菜のパフェ」、そして「旬のパフェ」というラインナップです。

3月にいただいたのは、前菜のパフェ「春を待つパフェ」。4月初旬まで提供されているメニューです。
中身は、きぬさや、椎茸アイス、人参クミンアイス、味付うずら、唐辛子クランブル、もちもちこいも、鶏肉の旨煮、あご出汁ジュレ、レンコンバター、ミルク粥。
アイスとクランブル(ザクザクしたやつ)とジュレが入ってることで「パフェである」という構造的な口実を確保したうえで、好き放題やっているパフェです。
うま味、辛味、もちもち、カリカリ、ボリボリ、香り、匂い。五感を存分に刺激してくれるという意味で、パフェの魅力にあふれた一品。コアな人気を獲得するパフェで、万人受けするものではないはずなのですが、そのコアな層がどんどん増えている気もします。

▲「苺のパフェ」(提供終了)
すでに提供は終了していますが、「苺のパフェ」も菜の花や豆腐、塩麹、揚げ春雨、白菜などが入った楽しいパフェでした。
Typicaのパフェを食べると、一貫した物語を感じるというよりは、断片的なイメージの連なった詩の世界に導かれるような心地になります。「パフェって何だろう」と思わされつつ、パフェとして先鋭的な表現に驚かされつつ、一方でパフェらしい魅力も存分に感じることができる店。それがTypicaなのです。
「Typica」
住所:杉並区西荻南3-18-10
https://www.instagram.com/typica_nishiogi/
平日13:00~20:00 土日祝 12:00~19:00
水曜定休(不定休あり)
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