
パフェ評論家 斧屋
パフェ評論家、ライター。これまでに4000本以上のパフェを食べました。パフェの魅力を多くの人に伝えるために、雑誌やラジオ、トークイベントなどで活動しています。著書に『パフェが一番エラい。』(ホーム社)など。
下北沢「カフェフライトラウンジ」

▲メロンのパフェ
小田急線または京王井の頭線で下北沢駅に降り立ち、メインの改札口を出て東口の方へ出ると、左手の目立つところに5階建ての商業施設「SHIMOKITA FRONT」があります。その建物の4階、下北沢駅を見下ろすロケーションに、今回ご紹介する「カフェフライトラウンジ」があります。
深夜までパフェが食べられるお店も増え、“夜パフェ”も定着してきた昨今。シンプルな構成のものも多いのですが、カフェフライトラウンジのパフェは緻密で複雑です。

▲生ハムが巻かれたグリッシーニ、そこに一片のメロンのピクルス。
6月下旬にいただいたパフェは、メロンのパフェ。構成は上の方から、メロンアルビドピクルス、山椒と抹茶のグリッシーニ、ジャンボンセック生ハム、和三盆ピーカンナッツショコラ、クレムードビュフロンヌ、メロンソルベ、ジャスミン香るマスカルポーネバニラアイスクリーム、抹茶パンナコッタ、メロン、ジェノワーズ、抹茶マスカルポーネクレームシャンティ、ココナッツシュガークランブル、メロンサバラン、ジャスミン花茶とメロンのジュレ、さわやかなミント香るメロンコンフィチュール。

▲「生ハムを巻いた棒」を手に入れた!
提供時、片手で生ハムが巻かれたグリッシーニ(スティック状のパン)を持って、ほかのパーツと合わせて食べるようお店の方から「良い命令」(私は食べ方のアドバイスをこう呼んでいます)をいただき、武器を手に入れた気持ちで揚々とパフェを食べ始めるのです。
グラスの円形の縁にそって、メロン(肥後グリーン)のカットが並びます。もちろん主役はこちら。それにぶつけるように酸味や苦みや塩味の要素があちこちに配置され、それらとの往復運動が、ますますメロンの芳醇さを引き立てるという構成になっています。

▲眼下には下北沢駅。
具体的には、皮と果肉の間の部分を使ったメロンアルビドピクルスのとってもすっぱいパーツが、グリッシーニに立てかけられています。フレッシュ果肉と見た目は似ているのに、口に入れるとびっくりします。抹茶パンナコッタの苦味はメロンと良く合う。
クレムードビュフロンヌ(水牛ミルク100%の白カビチーズ)は、塩味と独特の匂いがクセになりそう。そして生ハムメロンからの着想で、グリッシーニに巻かれた生ハム。良きタイミングでグリッシーニごとかじることで、香ばしさや塩味が感じられ、とても楽しい。
氷菓についても、メロンソルベがジューシーで果実味あふれるのに対し、マスカルポーネバニラアイスはねっとりとした触感でクリーミーな仕上がり。
さて、このお店のパフェグラスは上の方が開いた形なので、さまざまなパーツをある程度は平面的に並べることができます(縦長のグラスだと縦に積んでいくしかありません)。だから、食べる順番は自由だし、いくつかのパーツを合わせて食べてみたり、少しずつ食べ比べをしたりということも好きにできてしまうのが面白いのです。そしてグラスの底はキュッとすぼまっているので、底のパーツ(物語の終わり)はみんな一緒。主役であるメロンを使ったジュレやコンフィチュールで終える。とても理に適った構成ですね。
パフェは大体一カ月くらいの周期で変わります。メロンのパフェの提供期間は7月中旬くらいまでを予定しているとのこと。夜の下北沢を眺めながら、一日の締めのパフェをどうぞ。
「カフェフライトラウンジ」
住所:東京都世田谷区北沢2-24-5 SHIMOKITA FRONT 401
TEL:03-6407-1996
https://www.instagram.com/cafe_flightlounge
10:00~24:30(L.O.24:00)
不定休
営業時間が異なる場合がありますので、店舗のインスタグラムの情報を参照してください。
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